うちのカミさん(Annie Vercoutter)は、たまにすごくいいことを言う。琳派とは、「派」という漢字が付いているが、決して「スクール」ではない。それは「スタイル」であるという。
安土桃山時代、俵屋宗達で始まった「琳派」は一貫して師弟関係を持たず、師から弟子への「技術」の伝搬は行われなかった。師弟関係を全く持たなかった江戸時代に尾形光琳などのいわゆる「琳派」で蘇る。だから、これは技術伝達集団である「スクール」ではなく「スタイル」であるというのだ。
散人は美術史には全く疎いので、とても感心した。そうか「スクール」ではないのだ。だから国際的な「普遍性」をも持ったのだ。クリムトやルドン、さらにはマチスにまで「琳派」の影響を見ることが出来る。これは職人芸の伝承ではない「スタイル」だからこそ可能であったのだと、納得。
それに引き替え、昨今のニッポン芸術界では、「スクール」が幅を利かせているな〜。親分子分の関係。「文壇」とか「○○賞」とかいう言う権威主義もそう。またNHKが大好きな伝統芸術の「職人芸」の世界も所詮は「スクール」の世界。これでは閉鎖集団のメシのタネとはなっても、世界的な普遍性は持ち得ないのだ。目からウロコである。
現代ニッポンの若者は、ニッポンの伝統とやらの「スクール」に安易に逃避しているような気がするが、如何だろうか。
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